台湾の高速鉄道に入る新型車両「N700ST」の1編成目が、8月15日の未明、台湾南部の高雄港に到着しました。同じ日、港では車両の到着を祝う式典が開かれました。客を乗せて走り始めるのは、2027年7月1日の予定です。
この車両は、日本の東海道新幹線で走っているN700Sをもとに、台湾に合わせて造られました。台湾高鉄と日立・東芝の企業連合が2023年5月に契約を結び、12編成、あわせて144両を造ることになっています。契約の金額はおよそ1240億円です。
1編成目は、7月30日に山口県にある日立製作所の笠戸工場から出ました。その後、近くの港で貨物船に積み込まれ、数千キロの海を渡って輸送されました。台湾高鉄が日本から新しい車両を受け取るのは、22年ぶりです。
到着した編成には「TS01」という番号が付いています。これから、止まった状態での検査と、実際に線路を走らせる試験を行います。そのあと、台湾の鉄道局が営業に使ってよいかどうかを審査することになります。
12編成は一度に届くのではなく、少しずつ台湾に運ばれます。2編成目は今年11月、3編成目は2027年1月に届く予定で、この3編成が2027年7月から客を乗せます。最後の12編成目が走り出すのは、2028年9月の見込みです。
台湾高鉄は2007年に開業し、これまで日本の700系をもとにした「700T」という車両を使ってきました。しかし、この車両は使い始めてから20年近くたち、日本ではもとの700系が引退しています。部品の手配などを考えると、新しい車両への切り替えが必要でした。
新型車両では、全体を軽くして電気の使う量を減らす工夫がされています。車内には色のついた案内画面や、充電できる席、二段の荷物置き場が用意されました。授乳室も広くなり、車いす用の席は6席に増えました。
台湾高鉄は開業のあと、多額の借金で経営が苦しくなった時期がありました。その後、立て直しに成功し、今では島の南北を結ぶ大動脈と呼ばれています。2027年には開業から20年になり、会社は駅やサービスの改善も含めた新しい計画を進めています。