7月30日、高市早苗首相は、飲食料品にかかる消費税の税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針を表明しました。中低所得者には所得に応じた給付を行い、負担を実質的にゼロにするとしています。財源については、赤字国債に頼らず予算の組み替えで対応すると説明しました。
しかし、この方針には自民党の中からも反対の声が上がっています。財政規律を重視する小渕優子元選挙対策委員長は、7月30日に党税制調査会の非公式の幹部会合「インナー」のメンバーを辞任しました。小野寺五典税制調査会長によると、小渕氏は6月下旬から辞める意思を伝えていたということです。
反対しているのは小渕氏だけではありません。河野太郎元外相は、減税による物価の引き下げ効果を疑問視し、現金の給付の方が望ましいという考えを示しました。石破茂前首相も鳥取県内の講演で、代わりの財源を示さなければ無責任だと厳しく批判しました。
7月31日に開かれた党税制調査会の会合でも、反対の意見が相次ぎました。小野寺会長は会合の後、記者団に対して、反対が6割ほどだったと明らかにしました。稲田朋美元防衛相も、財源が不透明だとして、減税ではなく給付を選ぶべきだと指摘しました。
積極的な財政運営を求めてきた議員の間からも、慎重な意見が出ています。朝日新聞の報道によると、自民党の西田昌司参議院議員は、今の状況を正しく理解しなければ、国会運営に苦しんだ石破前首相と同じことになると危機感を示したということです。参議院では与党が過半数を持っておらず、野党が反対すれば法案の成立は難しくなります。
減税の関連法案は、秋の臨時国会に提出される見通しです。ただ、必要な財源は年間5兆円ほどとされ、具体的な確保の方法は年末の予算編成に先送りされています。9月に行われるとみられる内閣改造も控えており、政権にとって難しい時期が続きそうです。