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JLPT N1 · 聴解 · II
「即時応答」のスキルを学ぶ
即時応答 スキル — 即時応答
CHAPTER II
II 「即時応答」のスキルを学ぶ
質問・報告・依頼など短い文を聞いて、すぐに合う答え方を選ぶ練習。
PDF p.26–35質問、報告、依頼などの短い文を聞いた後、すぐにそれに合う答え方を考えます。
・質問する、依頼する、申し出る、許可を求める
・何かについての意見・感想・主張を述べる、説明する
・謝る、お礼を言う、褒める、あいさつする
実際に会話に参加しているつもりで、これらの文に対する返事を選びます。
最初の文を聞くときは、次のような点に注意して聞きます。
・その話題について話し手はどう思っているか
・その出来事は起こったか、起こっていないか
そのほか、会話でよく使われる表現やイントノーションに注意して聞くことが大切です。
使われている表現に注意して、そのことを「だれがするか」を理解します。
意見や報告などの文を理解するときは、その話題について話し手がそうだと思っているか、違うと思っているかに注意します。意見を言うとき「〜(ん)じゃない」がよく使われますが、これはイントネーションによって意味が変わるので、その違いを聞き分けなければなりません。
例2 行ったんじゃない?/これじゃなかった?
例1は「行かなかった」「これではない」という否定の意味で、文末が下がります。例2は反対に「行った」「これだ」という肯定の意味で、文末が上がります。
・彼じゃなかったんじゃないの? = 彼じゃなかったと思う
・あっちじゃないかと思う。 = あっちだと思う
・断られたんじゃなかったかと思いますが。 = 断られたと思う
意見、報告、感想を理解するときは、説明されている出来事が実際に起こったかどうかを考えることも大切です。特に、タ形が使われていても実際には起こっていないことを表す表現に気をつけます。
| 表現 | 例 |
|---|---|
| 【実際に起こった】 | |
| 〜なかったことにする | 見なかったことにしよう。 |
| (辞書形)んじゃなかった | 言うんじゃなかった。 |
| 【実際には起こっていない】 | |
| 〜ば/〜たら 〜た(のに) | 教えてくれれば見に行ったのに。 |
| 〜かと思った | 死ぬかと思った。 |
| 〜んじゃないかと思った | 間に合わないんじゃないかと思った。 |
| (辞書形)はずだった | 来るはずだった。 |
| (辞書形)んだった | 出しとくんだった。 |
| 〜ようと思いながら/つつ | お知らせしようと思いながら……。 |
| (た/ている)つもりで | 行ったつもりで貯金しよう。 |
| (ていた)としたら | 彼が生きていたとしたら、今は103歳だ。 |
同じ形でも、イントネーションによって意味が変わることがあります。言い方によって意味が変わるものには、次のようなものがあります。
例2 うまくいったじゃない!(=「うまくいった」という感動を伝える)
例3 あの人、田中さんじゃない?(=「田中さんだ」ということを確認する)
例4 小林さんは、お酒飲むんじゃない?(=「飲むと思う」という意見を伝える)
例5 こら、人の物を勝手に触るんじゃない!(=「触るな」と禁止する)
例6 あの店、今日、休みなんじゃなかった?(=「休みだ」ということを確認する)
例7 こんなの食べるんじゃなかった。(=「食べた」ことを後悔する)
例8 山本さん、あしたの練習、来ないって。(=「来ない」ことを報告する)
例9 今から行っても、絶対間に合わないって!(=「間に合わない」ことを主張する)
(1)は、文末を上げて、「〜と思う」という意見を述べています。(2)は、文末を下げて、「ない」を強く言っています。また「危ないから」という理由からも、禁止の表現であることが推測できます。
会話でよく使われる次のような表現に注意します。意見や感想などの場合は、驚きや不満など話し手の伝えたい気持ちにも注意して聞きます。
| 機能 | 表現 | 例文 |
|---|---|---|
| 提案 | 〜たら?/〜ば? | こっちの色にしたら?(=したらどうですか) |
| 主張・意見 | 〜ことない | 心配することないよ。(=心配しなくてもいい) |
| 〜っこない | 全部なんて、できっこないよ。(=できるわけがない) | |
| 〜って(ば) | 何度も言わなくても、わかってるってば。(=わかってるよ) | |
| 感想・報告 | 〜ことは〜 | レポートは書くことは書いた。(=十分ではないが一応書いた) |
| 〜には〜 | 免許はあるにはあるけど、運転してない。(=一応ある) | |
| 〜といったらない | 恐ろしさといったらなかった。(=とても恐ろしかった) | |
| 〜ったらない | 難しいったらないよ。(=とても難しい) | |
| 〜なんてもんじゃない | 高いなんてもんじゃないよ。(=とても高い) | |
| 〜のなんのって | 人が多かったのなんのって。(=とても多かった) | |
| なんといったって | 冬はなんといったってスキーがいいよ。(=何よりも) | |
| 愚痴・不満 | 〜じゃあるまいし | 子供じゃあるまいし、ちゃんとしてよ。(=子供ではないのだから) |
| 〜ったら | 子供たちったら、散らかしてばっかり!(=子供たちは) | |
| 〜ときたら | 最近の若い人ときたら、まったく。(=若い人は) | |
| 〜っぱなし | 電気はつけっぱなし、服は脱ぎっぱなし。(=つけたまま、脱いだまま) | |
| 〜にならない | 主張が違いすぎて、話にならない。(=話が成立しない) | |
| なんてことを/まったく | なんてことをしてしまったんだ!/また忘れ物?まったくあなたったら。 |
「田中ったら」は不満を述べる強調表現で、「まったく」というのは愚痴や不満を言うときによく使われる表現です。ですから、相手の不満に同調する a の方が適切です。
次に返事の文について考えます。会話での答え方には、直接的な答え方と間接的な答え方があります。次の例を見てください。(3)はどんな意味でしょうか。
女:(1) うん、行こう。 [受け]
(2) ごめん、行けない。 [断り]
(3) あさって、試験なんだよね。 [?]
男の人は女の人を映画に行かないかと誘っているので、女の人は(1)や(2)のように、行くか行かないかを答えるのが基本です。しかし、(3)では、質問とは直接関係のなさそうな「あさっての試験」について述べています。これは、「あさって試験がある」という状況を述べて「そのため、あした勉強しなければならないから、映画に行く時間がない」ということを相手に想像させ、それによって間接的に断っているのです。
このように断りや反論など相手にとって残念な答えの場合には、特に間接的な答え方が多く使われます。間接的な答え方の場合、肯定的な答えでは、「〜ね」「〜よね」を使って共感を示したり、関連する情報を積極的に加えたり尋ねたりすることがよくあります。一方、否定的な答えでは、「〜んだ/〜の」などを使ってできない状況を説明することが多いです。
| A(依頼・誘いなど) | Bの間接的な答え |
|---|---|
| ちょっと手伝ってもらえませんか。 | 何をすればいいですか。(○)/これ、今日中に出さないといけないんです。(×) |
| これ、使わせてもらってもいい? | 使い方、わかるよね。(○)/向こうに同じのがもう1つあるよ。(×) |
| この仕事、ぜひお願いしたいんですが。 | いいチャンスだと思って頑張ります。(○)/あのー、自信ないんです。(×) |
| 受け | 断り |
|---|---|
| ちょうどよかった/任せてよ/喜んで | あいにく/〜かねます/ちょっと考えさせてください |